知的財産権と聞くと難しいイメージがありますが、実は、身近にあるものです。
知的財産権とは、人の知的活動から生み出される財産権のことを指します。
例えば、音楽や発明などです。これらの財産は形がないので「無体財産権」とも言われています。
知的財産権は、「工業所有権」と「著作権」に分かれています。
この2つはどのように違うのでしょうか?工業所有権は産業の発達に寄与することを目的とするのに対し、著作権は文化の発展に寄与することを目的としています。
工業所有権とは?
代表的なものに、特許権、実用新案権、意匠権、商標権があり、これら4つの権利は、産業財産権と呼ばれることもあります。
では、産業財産権に含まれる各権利はどのように違うのでしょうか?それは、各権利の保護の対象の違いから区別することができます。
特許権は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの、つまり「発明」を保護の対象とします。
実用新案権とは?
自然法則を利用した技術的思想の創作、つまり「考案」を保護の対象とします。
「特許」に対して、「考案」は、必ずしも高度な技術的思想に限られません。
日本では、明治期に特許制度を創設したものの、国内の技術開発力が追いつかず、特許制度があまり機能しなかったため、特許に至らない小発明を保護して国内産業の技術レベルの底上げを図ろうとした背景があります。
意匠権とは?
物品の形状、模様、色彩またはこれらの結合で、視覚を通じて美観を起こさせるもの、つまり、「意匠」を保護の対象とします。簡単に言えば、物的外形の創作の保護、つまりデザインを保護します。
商標権とは?
商標を保護の対象とし、たとえば、商品に付けられているロゴなどです。
特許法・実用新案法・意匠法が技術的な創作を保護することを目的としているのに対し、商標法は、自分の商品と他人の商品を識別する標識を保護する点で、性質が異なります。
そのほか、工業所有権法には、不正競争防止法等の法律が含まれます。不正競争防止法は、おもに、事業者間の公正な競争を確保するため、不正競争の防止と損害賠償に関する措置を定めるものです。
著作権とは?
工業所有権に対し、著作権は、思想感情の創作的表現、つまり「著作物」を保護します。たとえば、小説、音楽、絵画などです。
著作権は、著作物を創作した時点で権利が発生するのに対し、産業財産権は特許庁に登録することによって権利が発生します。
知的財産権に関する法律は、時代の変化に迅速に対応するため、頻繁な改正が行われていますので注意が必要です。
知的財産権とは?その2
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